古座川の河口付近から沖合約1kmの海上に浮かぶ南北約160m、東西約170m、標高31mの小さな島である。地質は熊野酸性火成岩類の礫を含む九龍島礫岩層から成り、島の周囲に海食台の岩礁が広がる。イヌマキのほか、スダジイ・タブノキ・モチノキ・ヤブニッケイ等の高木類を中心として、イワヒトデ・タマシダ・ヤブランなど紀伊半島南部を北限とする植物が自生する。頂部には、海上安全・大漁を祈願して弁財天を祀る。九龍島は、熊楠がオオタニワタリの生息地としての重要性を主張した場所であり、現在もなお良好な当初の風致景観を維持している。
※写真は令和3年2月~6月に開催した「南方曼陀羅の風景地Instagramスタンプラリー」の投稿写真を掲載しています。
古座浦の黒島も、この稲積と並んでタニワタリの名所なり。小生八年前行き、同島植物片っぱしから採りしに、そのころは一本もなく高芝、下里などいう村の旅宿などに栽えたるもの多少ありしのみ。
『南方二書』
南方曼陀羅の風景地
田 辺 市 : 神島、鬪雞神社、須佐神社、伊作田稲荷神社、継桜王子、高原熊野神社、奇絶峡、龍神山、天神崎
上富田町: 八上神社、田中神社
白 浜 町 : 金刀比羅神社
串 本 町 : 九龍島