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南方熊楠日記[昭和六年・七年]

(2023年3月発行 A5版 320ページ)

南方熊楠は一生を通じて日記を書き続けました。1885年から1913年までの日記は八坂書房(1987-1989年)から出版されていますが、それ以外の大正、昭和期の日記は、部分的に紹介されたことがあるだけで、出版されないままでした。
熊楠の直筆の文字を読みやすいものにする翻刻の作業は、熊楠の女婿である岡本清造によって、大正期の大部分の年について、原稿が遺されていました。残りの年については、2000年頃から東京・南方熊楠翻字の会、田辺・南方熊楠翻字の会、熊楠関西研究会の活動によって進められてきて、ほぼすべての年の粗翻刻が終わるところまで来ています。
南方熊楠顕彰館では、このような翻刻成果を踏まえて、昭和期の日記から「南方熊楠資料叢書」として刊行することを企画しました。
本書に収録された昭和6、7年には、熊楠は63歳から65歳になっていました。晩年の時期に差し掛かっていましたが、昭和4年の昭和天皇へのご進講を終えた後でもあり、多くの訪問者や、生物の観察、論文執筆、手紙のやり取りなどの活発な活動を展開していました。日記には、このような活動の記録や、起床してから寝るまでの出来事、周囲の人々の交流などが淡々と記録されています。熊楠の著作や書簡などとは違った視点から、素顔の熊楠を読み取っていただけるものと期待しています。

令和5年3月刊行
3,300円(別途送料310円)

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