「田辺抜書」は、ロンドンから帰国した熊楠が、かの地での「ロンドン抜書」同様に、閲覧した 図書を罫紙綴じノートに書き写したもの。1907 年(熊楠 40 歳) から 1934年(67歳)までに書き写された61冊が現存する。これまで書抜資料の明細などじゅうぶんに整理されてこなかったが、現在ようやく全貌が見えつつある。これとは別に、今般、闘鶏神社蔵書の和漢書現蔵目録がほぼ 完成したことにあわせ、両者をつき合わせつつ、田辺の地での熊楠の読書活動の実態に迫ろうとする試みである。
日 時:平成29年8月5日(土) 10:00~17:15(開場9:30)
会 場:田辺市文化交流センター たなべる 2階 大会議室
定 員:100名
申込不要、参加費無料
興味のあるプログラムだけの聴講も可能です。
※時間は目安です。進行上の都合により前後する場合がありますので、ご了承ください。
①応募発表(自由論題Ⅰ) 10:00-12:00
・「熊楠の志怪書及びその読み方について」
司 志武(広州・ 曁南大学准教授)
・「南方熊楠と中国文学 -『水滸伝』『金瓶梅』『紅楼夢』の解読を通して―」
劉 運涛(龍谷大学)
・「南方熊楠と本山桂川の交友関係」
三村 宜敬(市川市立市川歴史博物館)
・海外メディアが見た南方熊楠
サライ・ペーテル(大阪大学日本語日本文化教育センター特任助教)
②シンポジウム「『田辺抜書』をどう読むか」
13:30-13:35
開催趣旨説明
司会:千本英史(奈良女子大学教授)
13:35-14:30 報告1
伊藤 慎吾(国際日本文化研究センター客員准教授)
岸本 昌也(武蔵大学非常勤講師)
志村 真幸(京都外国語大学非常勤講師)
杉山 和也(青山学院大学大学院博士後期課程)
田村 義也(成城大学非常勤講師)
広川 英一郎(都立府中東高校教諭)
目黒 将史(立教大学兼任講師)
※(各5分×7名)+相互討議(20分)
14:30-14:50(20分間休憩)
※闘鶏神社、田辺抜書関連資料展観
担当:平川 恵美子(四国大学非常勤講師)
辻 晶子(奈良女子大学博士後期課程)
14:50-15:15 報告2
「田辺抜書と今昔物語集」(仮題)
小峯 和明(立教大学名誉教授)
15:15-15:30 質疑(15分)
③応募発表(自由論題Ⅱ) 15:45-17:15
・「南方曼荼羅論再考」
大和 茂之(京都大学瀬戸臨海実験所助教)
・「南方熊楠の創造性と時代背景 -南方曼荼羅を中心として-」
雲藤 等(早稲田大学エクステンションセンター講師)
・「南方熊楠の学問の方法-J.S.Mill の A System of Logic ratiocinative and inductive から学んだことー」
嶋本 隆光(大谷大学非常勤講師)
チラシはこちら