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松浦 啓一（まつうら けいいち）氏
国立科学博物館名誉研究員
学位：水産学博士
専門：魚類学
略歴
1971年3月：東京水産大学 増殖学科卒
1973年3月：北海道大学大学院 水産学研究科 修士課程修了
1978年12月：北海道大学大学院 水産学研究科 博士課程修了
1979年4月：国立科学博物館 動物研究部 動物第2研究室 研究官
1989年7月：国立科学博物館 動物研究部 動物第２研究室 主任研究官
1995年4月：国立科学博物館 動物研究部 動物第２研究室 室長
1995年4月：東京大学大学院 理学系研究科 助教授（併任）
2003年4月：東京大学大学院 理学系研究科 教授（併任）
2006年7月：国立科学博物館 標本資料センター コレクションディレクター
2011年4月：国立科学博物館 研究調整役、（兼）動物研究部長、昭和記念筑波研究資料館長
2013年3月：国立科学博物館定年退職
2013年4月：国立科学博物館特任研究員（～2014年3月）
2013年4月：国立科学博物館名誉研究員
研究活動
専門は魚類の分類学、系統学、比較形態学、動物地理学であるが、熱帯および温帯の岩礁性魚類やサンゴ礁性魚類を主な研究対象としてきた。とりわけフグ目魚類については、多くの論文を出版している。これまでに日本の北海道から琉球列島までの沿岸域を幅広く調査するとともに、西部太平洋の熱帯域（東南アジアからミクロネシアの島々やマーシャル諸島、ソロモン諸島のサンゴ礁や藻場）を調査してきた。
研究の成果は230編以上の学術出版物（論文及び著書）として発表するとともに、魚類ばかりではなく、動物全体に関する分類学の教科書や自然史研究の歴史、博物館の歴史や標本構築に関する著書も出版した。
さらに、国内の自然史標本のデータベースを構築するためサイエンス・ミュージアムネット(S-Net)という全国レベルの活動を組織した。S-Netには現時点で約740万件の標本データが収録され、1年に約20万件ずつデータが増加し続けている。さらに、生物多様性情報に関する国際組織である生物多様性情報機構(GBIF)の副議長を2007年～2010年に努め、生物多様性に関する世界的なデータベースの発展のために貢献した。
学会活動
1981年～1982年：日本魚類学会庶務幹事
1982年〜1987年：日本魚類学会編集幹事
1984年〜1985年：2nd Indo-Pacific Fish Conference組織委員会委員
1992年〜1997年：日本魚類学会編集委員長
1993年〜1995年：全国科学系博物館協議会調査委員会委員
1995年〜1997年：Scientific Committee Member,5th Indo-Pacific Fish Conference
1996年〜1998年：全国科学系博物館協議会調査研究委員会座長
1996年〜2000年：（財）食品流通構造改善促進機構水産物表示適正化推進協議会委員
1997年〜2000年：日本学術会議動物科学研究連絡委員
1997年〜1999年：自然史学会連合運営員
1998年〜2023年：Scientific Committee Member, 6th Indo-Pacific Fish Conference
2000年〜2001年：日本魚類学会副会長
2002年～2003年：日本魚類学会会長
2004年〜2005年：日本魚類学会副会長
2004年〜2005年：日本分類学会連合代表
2006年～2007年：日本魚類学会会長
2007年～2010年：Global Biodiversity Information Facility, 1st Vice Chair
2008年～：American Society of Ichthyologists and Herpetologists名誉会員
2014年～2020年：日本学術会議連携会員
2017年～：日本魚類学会名誉会員
主要著書
『Triggerfishes and their allies』
Matsuura, K. and J. C. Tyler. Academic Press 1995
『Fish collection building in Japan, with comments on major Japanese ichthyologists』
Matsuura, K. Collection building. American Society of Ichthyologists and Herpetologists, Special Publication 1997
『魚の自然史：水中の進化学』
松浦啓一・宮正樹（編著） 北海道大学図書刊行会 2000
『虫の名、貝の名、魚の名 和名にまつわる話題』
青木淳一・奥谷喬司・松浦啓一（編著） 東海大学出版会 2002
『小学館の図鑑NEO 魚』（新版）
井田齊・松浦啓一（監修） 小学館 2003
『動物分類学』
松浦啓一 東京大学出版会 2009
『毒魚の自然史―毒の謎を追う』
松浦啓一・長島裕二 北海道大学出版会 2015
『したたかな魚たち』
松浦啓一 KADOKAWA 2017
『日本産フグ類図鑑』
松浦啓一 東海大学出版部 2017
『回転寿司になれる魚図鑑』
松浦啓一（監修） 主婦の友社 2018
『けなげな魚図鑑』
松浦啓一 エクスナレッジ 2020
『Fish diversity of Japan: Evolution, zoogeography and conservation』
Kai, Y., H. Motomura and K. Matsuura, eds. Springer 2022