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2019年3月常設展示リニューアル

◇常設展示リニューアルの目的
南方熊楠顕彰館は南方熊楠翁の顕彰のため、南方熊楠邸及び資料の保存・研究、成果の活用、情報発信を目的に建てられており、一般の方を対象とした常設展示は物足りませんでした。また、館内では、月例展や特別企画展など年6回の展示を行っていますが、研究を目的とした施設のため専門的な内容が多く、一般の方には少しハードルが高いものとなっていました。このことから、常設展示を幅広い世代が親しめる内容に刷新し、入館者の増加はもちろん、市民のリピーターを増やして今後の顕彰事業を支える若い世代の育成を図るとともに、田辺の街なかを周遊する来訪者の観光施設として地域の観光振興・中心市街地活性化に寄与することを目的として展示替えを実施しました。一般の方は常設展示で、専門的な知識を得たい方は月例展や特別企画展などの展示や講演会、シンポジウムで、という風に分担し、より多くの方々に親しみを持っていただける施設となりました。

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【玄関ホール】
受付、案内、オリジナルグッズ売り場

【展示スペース】
展示パネルやタッチパネル等により、熊楠の生涯や業績を分かりやすく簡潔に紹介します。

〇南方熊楠顔拡大写真壁面グラフィックと南方マンダラホログラム


〇「南方熊楠と熊野古道」コーナー
熊野古道ジオラマ(2018.2月、田辺高校1年H組寄贈)で紀南(和歌山県南部)の熊楠ゆかりの地をご覧いただきます。また、デジタルフォトフレームでは2015年に国の名勝「南方曼陀羅の風景地」に指定された熊楠ゆかりの地13ヶ所の画像もリピート上映しています。

〇「熊楠が見た世界」コーナー
「南方熊楠と熊野古道」コーナーの反対側は「熊楠が見た世界」コーナーです。デジタルフォトフレーム3台で「熊楠が残した記録」、「熊楠が集めた標本」、「熊楠と写真」のテーマに則した資料画像を12枚ずつリピート上映しています。


〇「熊楠クロニクル」コーナー
1.幼少期~青年期、2.アメリカ時代、3.ロンドン時代、4.那智時代、5.田辺時代に分けて簡潔に熊楠の人生を説明しています。
※画面中央に見えるのは熊楠愛用の机(レプリカ)です。座って記念写真はいかがですか?



〇「自然科学研究」コーナー
変形菌と熊楠の自然科学研究を説明しています。
変形菌の大きな展示ケースがあり、変形菌の生息環境を再現しています。

「熊楠クロニクル~自然科学研究」コーナーには4カ所の「クマグスの目」というのぞき穴があります。
何が見えるでしょうか?
のぞいてみてください。


〇「人文学研究」コーナー
熊楠の人文学研究を説明しています。タッチパネルがあり、当館所蔵の「履歴書」、「腹稿・虎」、「南方マンダラ(土宜法龍宛書簡)」の画像を自由に拡大縮小して見ることができます。

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〇「没後の顕彰事業の歴史」コーナー
このコーナーでは熊楠没後の顕彰事業史を簡潔に説明しています。南方熊楠邸の模型とデスマスクを展示しています。


〇休憩コーナー
このコーナーでは、モニターで2017年の南方熊楠翁生誕150周年記念式典で流した映像「顕微鏡の彼方に “Tanabe,Kii,Japan”」をリピート再生しています。
日本語 → 英語(簡体字字幕) → 日本語 → 英語(繁体字字幕)の順で流れています。上映時間は各8分30秒です。
テーブルとして使用しているのは、熊楠、柳田國男ゆかりの引作神社の御神木、「引作の大クス」の大枝です。
また、南方熊楠顕彰会の会報誌「熊楠ワークス」のバックナンバー、南方熊楠顕彰館の月例展、特別企画展、企画展のパネル縮刷版を置いています。

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〇交流・閲覧室
2階は交流・閲覧室で、熊楠関係の書籍や郷土資料をそろえています。
パソコンも2台置いてあり、顕彰館ホームページから顕彰館の情報や所蔵資料を閲覧可能することができます。
また、実体顕微鏡で変形菌の標本を観察することができます。不慣れな方はデジタル実体顕微鏡も置いています。モニターに写すことができますので、複数人でお越しの方はこちらを使えば全員で見ることができます。
図鑑も置いていますので、ご自分で採集した変形菌やキノコ、植物を持ってきて観察してみてはいかがでしょうか。


熊楠が発見したもののなかで最初に新種に認定された変形菌アオウツボホコリの標本(熊楠の採集品ではありません)も置いています。このアオウツボホコリを発見した神社が合祀され、神社林が皆伐されたことが熊楠の神社合祀反対運動のきっかけのひとつとなりました。