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登録有形文化財

登録有形文化財「旧南方家住宅(南方熊楠邸)」

 南方熊楠邸は、在野の学者として著名な南方熊楠が、1916(大正5)年以降没するまでの25年間を過ごした場所で、この庭で新属新種の変形菌(粘菌)を発見するなど熊楠にとって、居住・研究の場として大切な空間であるだけでなく、主屋(母屋)をはじめとする建物が、田辺地方における早期の洋風意匠が加味された住宅の例としても価値が認められることから、2015(平成27)年3月26日、国の登録有形文化財(登録名は「旧南方家住宅」)となりました。

旧南方家住宅 主屋(母屋)

木造二階建て一部平屋、寄せ棟造り瓦葺き、外壁の大部分は、開口部以外は焼き杉板の横板張りで、この張り方や玄関戸が斜板張りの両開き戸であることなど、この地方の伝統的民家とは異なる、洋風意匠を併せ持つ外観である。

 

 

 

 

斜板張りの両開き戸の玄関戸

 

 

旧南方家住宅 書斎

木造平屋建て瓦葺きの小家屋で8畳1室に東西両側に広縁を備える。

 

 

 

 

 

 

 

旧南方家住宅 土蔵

土蔵造り二階建て、屋根切り妻造り瓦葺きで、外観は焼き杉板の縦板張りである。

 

 

 

 

旧南方家住宅 井戸屋形

木造招き造屋根の簡素な小屋。背面(南面)などの外壁は縦板張りで、平面は3分割され、西から井戸、続いて竈(現在撤去)、などが設置され、続いて2畳の小部屋がある。